ジョジョでお馴染み「呼吸法」とは? ボルダリングに必須の呼吸テク!
ジョジョの奇妙な冒険が大好きな紳士淑女の諸君。
おはよう。マッソだ。
初っ端からコアだったかな?
私は当たり前のように話を始めてしまったが、名前だけは聞いたことはあるという方も、全く存じ上げない方もいらっしゃるだろう。
ジョジョをとても簡単に説明するとそうだな、漢だな。
正直既に9部作くらいまで発行されており説明しきれないので割愛する。今回のエントリーが無に帰す程の説明をせねばならない。
ただ今回のエントリーに関係する部分だけ少し触れておこう。
ジョジョの奇妙な冒険は一部二部のストーリーは似通っている。
この一部二部では敵が吸血鬼なのだが、それを倒すために特殊な呼吸法を習得し、それが波紋を呼び覚ますのだ。
波紋は血液中のエネルギーを増幅させ、それでもって吸血鬼を倒して行く。
(マニアな諸君のクレームは受け付けない!多少間違っている自覚はある!)
これは有名な戦闘シーンだ。
要は呼吸法で自分の眠れる力を引き出して行くのだ。
ジョジョの中ではワインを吐き出してカッターのように相手を切り裂いたり、指から波紋を出してヤモリの如く壁に吸い付いたりする。
そんな呼吸法、知りたいだろう?
諸君らにもこんな呼吸法を伝授しよう…
…と思ったのだがここまでの効果はすまない、無い!
だがボルダリング、いやアスリート全般において呼吸法を変革することは、今までのポテンシャルが一変しかねないパワーを持っている。
瞬発力を要する高負荷運動、持久力を駆使するスタティックな静的運動、それぞれでどのような呼吸法を行えばいいのか。
今日のエントリーは呼吸法の重要性、その活かし方、呼吸法トレーニングまで呼吸法を網羅して行こうと思う。
是非明日からのボルダリングに活かしてくれたまえ。
1、アスリートは皆鼻呼吸「吐いて吸う」
我々は呼吸を普段ほとんど意識していない。朝起きた時から夜寝るまで下手をすると一度も気に留めないだろう。あまり運動をしない方々なら尚更だ。
これは自律神経が呼吸を自動的にコントロールしてくれているからである。
なので我々は呼吸を意識しなくても階段を登ったり、意中の異性とデートをしたりして脈拍が上がると呼吸が浅く早くなったり、寝ている時も規則正しい息をしてくれたり、非常に助かっている。
我々が無意識にしている呼吸、日本人はなぜか口呼吸をしている諸君が非常に多いのだ。その数成人の半数と言われる。
なぜか?日本人は姿勢が悪いからだ。
姿勢が悪いと猫背になり胸郭が縮こまる、そうすると一度に酸素を取り込む量が減るため自動的に口呼吸に移行するという。
昨今、医療現場でも口呼吸はやめなさい、鼻呼吸をしなさいと言われて久しい。
口呼吸のデメリットは口の中が乾くことによって免疫が下がったり、口腔内が酸性化することでバクテリアの繁殖が活発になり、虫歯や口臭の割合が増えるなど様々だ。
口呼吸はデメリットしかない。まずはこれを矯正するところから始めるぞ。
Lesson1だ。
口呼吸を2度としない!鼻呼吸への転換ポイント2つ!
・姿勢を正し、猫背を治す
・鼻で10秒吐いて鼻で10秒吸う、1日10セット深呼吸をする!
これだけだ。簡単だろう?
しかしだな、ここだけの話ボルダーは猫背が多い。登っている時に腰を落として猫背で登ぼるタイミングが多いからと言われているな。
しかし日頃から腹筋、背筋をバランス良くつけているのだ。意識すれば数日でで治る。
なので姿勢改善の為にはボルダリング+意識で問題ないからな。
もう1つ、「鼻」深呼吸だ。
深呼吸というと口から吸って口から吐く人も多い、まあ最もメジャーなのは鼻から吸って口から吐くスタイルだろう。
今回は鼻呼吸を意識づけるものなので両方鼻から行ってくれ。
これを1日10セット、朝の通勤中でも仕事中でも帰ってから寝る前でもいいぞ。
諸君もなかなか深呼吸など日常生活でしないと思うが、我々の生命は酸素で成り立っている。
我々の身体には知らず知らずのうちに排出しきれなかった二酸化炭素も滞っているのだ。
完全にリフレッシュする機会を作れば様々な効率もあがる。鼻呼吸が身についた後も深呼吸は継続してほしい。
吐いて吐いて吐いてー…吸うのだ!
さあ上記題目でも「吐いて吸う」と表現した。
この「吐く」動作が肝心だ。
人間誰しも「意識して呼吸してください」というとなぜか一生懸命吸ってしまう。
また緊張したり、また例えば事故にあったり、誰しもパニックになると必ず「吸う」 、意外と「吐く動作」は意識的にやらないとできない。
空気があるところにどれだけ空気を追加しようとしても諸君の肺の容量は決まっている!まず「吐く」その後「吸う」、ビビったら吐く、マッソとの約束だからな。
呼吸の意識は吐くこと8割吸うこと2割だ。
それは日常生活もボルダリングも全て一緒。この吐く意識を念頭に続きを述べていこう。
2、ストレッチでは「吐く」、高負荷運動中も「吐く」!!
「はい、息止めないでー、ゆっくり吐いてー」
「吸って吸って吸ってー…ゆーっくり吐いてー」
なんて学生時代の体育の時間、部活での柔軟、はたまたジムのインストラクターとのストレッチ、言われた経験がある諸君は多いだろう。
ストレッチ、柔軟をする時に息をする、もとい吐くのは「息を吐く時に副交感神経が活性化される」からだ。
筋肉は力をかけてグイグイ伸ばしてはならない。
無理をして伸ばせば筋肉、筋肉と骨を繋いでいる腱が痛む。もっと悪ければ関節、靭帯が損傷する。
これは既に柔軟ではない、怪我だからな。
ゆっくり長い時間をかけてリラックスしながら伸ばす必要があるのだ。
リラックスするには副交感神経を働かせる必要がある。ちなみに吸う方、吸気は交感神経を刺激する。
息を吐く:呼気→副交感神経を活性
息を吸う:吸気→交感神経を活性
覚えておいてくれ。
「じゃあマッソ、筋力を出す時は交感神経を使ったほうがいいんだろ?じゃあ思いっきり吸おうぜ!」
まてぃ!
違う違う、確かに筋力のパワーを引き出すのは交感神経系役割だ。だがボルダリングにおいてはあくまで吸ってくれ!
確かに息を吸えば交感神経が活性化されて、筋力に優位かと思ってしまうだろうな。
しかし、人間は息を吸った方が筋力を発揮しやすい。
諸君らも試して欲しいのだが、吸いながら何かを持ち上げるというのはやりにくいと思う。
また息を吐くとボルダリングについてはより良いメリットがある。
それは
・息を吐き出すことで力を入れるときの「いきみ」が軽減される→身体のブレが減る
・息を吐く→腹筋が締まる→背筋にも伝わり脊柱が安定、体幹が締まる
のだ。
要は力を入れる時に息を吐くことで身体のブレが減り、体幹を支点に手足に力が入りやすく、また力が伝わりやすくなるということだ。
しかし実は人間、1番力が出るのは息を止めたところだ。この息を止めて筋力を最大限発揮することを「怒責」という。
確かに最大限力は出るが、正直ボルダリングには向かない。
理由としては4点だ。
・いきみにより身体がぶれる
・重量挙げなどのスポーツと違い、その後も登り続ける場合が多い(核心は1つではない場合が多い)
・酸素を急激に消費する為パワーが続かない
・血圧が急上昇する為、気絶のリスクがある。そもそも壁の上ではとても危険
などだな。
向いてないと言ったがかなり危険だ。息はし続けること。よろしくな。
力の入れやすさを図にすれば
呼吸を止める(怒責)>>息を吐く(呼気)>>超えられない壁>>息を吸う(吸気)
なのだ。
筋トレを行う際にも覚えておいてくれ。
この章でのポイント:
悪く遠いホールド(核心)ほど息を吐く
3、呼吸法の基本、腹式呼吸について
さぁみんな大好き「腹式呼吸」の時間だ。
腹を膨らませて呼吸をするものだが、正しくは「胸郭は膨らませずに横隔膜を下げて(結果内臓が圧迫されて腹が出る)呼吸をすること」だ。
胸郭というのは肺周りの壁だ。このスペースを胸腔という。お腹にも腹腔という空間が空いていて、ここには内臓が入っている。胸腔と腹腔を分けているのが横隔膜。
こんな感じだな。
普通我々が行なっている呼吸は胸式呼吸、胸が上下する。これをお腹が上下するようにお腹で呼吸をするのが腹式呼吸だ。
以下に簡単に図解しよう。
ご覧の通り、横隔膜が上下しているのがわかると思う。
この横隔膜が下がった時=腹が出ている時=肺が吸気している時、横隔膜が上がった時=肺が縮んでる=呼気しているとき、だ。
ではボルダリング中は?
なぜか、腹式呼吸は胸、また呼吸が荒くなると肩も上下する。上半身がぶれると重心が安定せずに身体がぶれるのだ。
ボルダリングでは遠距離にある劇薄カチやスベスベスローパーを取る時重心がぶれれば、モーメントによって壁から剥がされる。壁の上では繊細な動きが必要なことは諸君らもよく知っていよう。
対して腹式呼吸は腹が上下する為上半身がぶれ辛い。下半身に重心が下がる為、足にも力が入れやすくなり乗り込み、つま先での掻き込みも抜群にやりやすくなる。
腹式呼吸にすると良いことがもう1つ、ボルダリング中に腹式呼吸を続けることによって呼吸への意識が及ぶようになる。
腹式呼吸でバイタルチェックを制覇せよ
先ほども述べたが基本的に日常生活で呼吸について考えることは少ない。
なので腹式呼吸を積極的に行うことで「今自分がどんな呼吸をしているか」に目がいくようになる。
すると心拍、脈拍、筋肉の疲労状況などにも目が届くようになるのだ。
登っている最中に自分のバイタルを逐次把握することは完登率を上げるだけでなく、そのムーブ時のバイタルを覚えておけば他課題のオブザベ段階で自分がどこでどの程度疲労するのか、判断することができる。
結果、オンサイトや1課題に対するトライ数の減少により多くの課題が登れるようになり、経験本数がマッハで増えることに繋がるのだ。
即ち、強くなる。
この章のポイント:
腹式呼吸=重心下がって登り安定
腹式呼吸=呼吸への意識=バイタルへの意識=完登率激増
4、武道から盗み取れ!「丹田」を意識せよ!
さぁ鼻呼吸は身についた、腹式呼吸も制覇した。最後にたどり着くのは丹田だ。
丹田は第2チャクラとも言われており、解剖学上では残念ながらそんな言葉はない。諸君の声が聞こえてくるようだ。
「怪しすぎる」と。
まてぃ!
たしかに少し宗教的と言われる側面もある。なので解剖学的に言おう、丹田とは「下腹部の腹圧」のことだ。
ボルダリングは基本、どのムーブも腰上、下腹部が中心になっている。ここに重心を持って来られればそれが1番安定するのだ。
では丹田はどこなのか。
これは万人で微妙に異なるのだが、基本的に「ヘソ下5センチ、そこから更に腹の中5センチ」と言われているな。
まぁマッソ的簡単な判断方法は「腹式で限界まで息を吐いた時に1番力が入ってるところ」だ。
この辺だな。
章で話は出したがこの丹田、意識するまでが非常に難しい。
まず背筋を伸ばして座って、何もしていない状態でお腹に手を当てて息を腹から吐ききる。
それでもここか?いや違うか?という程度から始まる。
少しお尻の穴をすぼめるような、お尻の穴に力を入れながら腹式で吐いていくとわかりやすいだろう。
腹圧が最大になる所、要は腹の真ん中部分なので腹からとお尻から、両側から力をかけるといい。
またこの腹とお尻の穴に力を入れる、というのは丹田トレーニングにもなる為お勧めだ。
丹田トレーニングをもう少し詳しく述べよう。
丹田は下腹部の腹圧と言っただろう?要は腹腔腹部の腹圧、腹式呼吸でゆっくり鍛え上げられていく。
丹田を練るにはとても時間がかかるのだ。一説には腹を引っ込めて生活すると丹田が活性化すると言われている。
あとはお尻に力をいれたり、腹式呼吸してみたりと逐一意識づけとトレーニングを続けるしかない。
ただボルダリングの中で丹田を意識しやすいムーブはある。フラッギングだ、しかもとても深いフラッギング。
これだ。
この状態で左手を離し、バランスを取るために下腹部を意識、腹式呼吸をする。
こう言った日常生活ではなく、ボルダリング中に丹田を意識するタイミングを少しづつ作っていってほしい。
この章のポイント:
丹田は重心の要!焦らずゆっくりトレーニングしよう
さぁ呼吸法について述べてきた。
まだまだ謎が多い呼吸法、しかしその一端は共有することができたのではないだろうか。
丹田については長い時間を要するが、その他については取り入れれば直ちに効果を発現するものばかりだ。
進んで取り入れてほしい。
今回は以上だ。
諸君のより素晴らしいボルダリングライフを祈る。